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「一つの水槽で2匹以上の金魚を飼いたい」と思った時に気にしてほしいこと3選

要約:基本的に金魚同士は混泳(同じ水槽で複数個体飼育すること)可能な魚として紹介されることが多いですが,どんな品種でも購入してすぐ同じ水槽に合流させる,といった対応では様々なトラブルにつながる場合があります.

「新しく購入した魚」「体型が違う魚」「性成熟したオス」から発生するトラブルについて解説します.対処としては基本的に「隔離」のため,混泳にチャレンジするのは十分なスペースと設備の準備ができてからにしましょう.

新しく購入した魚

こうした声を聞き取ってやることはできない.

新しく購入した魚はしばらくの間別の水槽で養生させる必要があります.

白点病やカラムナリス/エロモナス症,ウオジラミの寄生など,病気の感染が起こっている場合があり,感染拡大により治療の規模が大きくなり,魚を失う可能性があります.

見分けはつかないものとして扱うべき

観賞魚の病気は体表に変化を伴う症状も多く,一目見れば見分けがつく,健康体に見える魚を選んで購入したので大丈夫と考えてしまう場合もあるかもしれません.

しかしながら,以下3つのような状況で目に映っていないだけかもしれません.

その後目に見える形で病気が判明し,症状が進行しほかの魚にも伝染していることから切迫した対応が要され,どうにか対処しても先住魚含め魚を失う可能性があります.

買った直後の魚はみな病気を持っているものとして扱う,という画一的な対応が必要です.

潜伏期間である

病気が顕在化する前の潜伏期間の場合,一日の些細な挙動でしか体調を推し量ることができません.

意図して砂に体をこすりつける動きが白点病の初期症状といった話もあれど,経験上,こちらの観察や動きに驚いてとっさの泳ぎがそのように映る場合も多くあまりあてになりません.

そのほか呼吸の様子(あくびがない,息切れともいうべきわざとらしく大きい呼吸)などで疲れを察する場合もありますが,あくまで主観のため塩水浴のほか具体的な手(適切な魚病薬の選定など)を打てません.

日和見感染する病原体によるものである

カラムナリス症(尾ぐされ,口ぐされ,鰓ぐされ等),エロモナス症(赤斑病,松かさ病,穴あき病,ポップアイ等)の原因菌は水槽の常在菌であるカラムナリス菌,エロモナス菌です.

流通や持ち帰り,水合わせといった環境変化の連続で疲弊した魚が,こうした菌に日和見感染を起こす場合があります.

病変箇所が見つけられない

金魚には色とりどりの様々な柄があり,病気によって皮膚の状態に変化が出た際視認が難しい場合があります.

もともと赤い魚の皮膚で赤斑などの病赤い炎症,白やキャリコ柄で発生した白点病など「病変箇所がカモフラージュしてしまう」ケースのほか,ウオジラミ寄生のようにほぼ透明の寄生虫が体表を動き回り見つけられない場合もあります.

ちなみにウオジラミはごくわずかに薄緑のため,透明な水と十分な照明,相当な観察能力があれば見つけられる場合もあるとはいえ,見落とされているお店をお見掛けすることも何度かありました.

お店の仕事は金魚の養生のほかにも多々あり,経験者としてはなかなか責める気にならないとはいえ,そうしたこと一つで状況や出費が簡単にひっくり返るのが金魚飼育の難しいところである以上,しっかり対策されたところで購入したいのが本心です…

対策

購入して持ち帰った金魚は「トリートメント」と呼ばれる養生の期間を挟み,その際病変の箇所をよく観察してあらかじめ治療しておくのが確実です.

病気のシグナルを発見するべく,くまなく全身をチェックする関係上,不透明なバケツなどで行うよりコストがかかることを差し引いても,透明な水槽で様子見をしたいところです.

体型が違う魚

流通でよく使われる「長物」「丸物」の分類のほか,追加の留意事項が必要な一部肉瘤金魚,パールスケールや出目など特殊体型の金魚を一緒くたに入れると,餌食いの偏りやケガにつながる場合があります.

分類

以下5つの大まかな分類のほか,各個体の泳ぎや餌食いの様子を観察して,一方的な優劣関係が成立してしまっている場合,隔離を視野に入れる必要が出てきます.

長物金魚

朱文金や和金といったフナに近い体型の金魚は,体型がもともとの魚に近いため,泳ぎがスムーズで餌食いも素早く,十分身動きがとれストレスにならないよう,飼育のために広い空間を要する場合があります.

丸物金魚

琉金など丸い体型の金魚は,長物金魚に比べてちょこまかとした動きで泳ぐスピードも抑えられるため,長物金魚と比べて餌食いが一手遅れる場合があります.

肉瘤金魚

らんちゅう体型の品種やオランダ獅子頭体型の品種など,顔に肉瘤が発達する金魚は,場合によって目周りの肉瘤が目を塞いでしまう(左上「黒らんちゅう」)ため,こうなった個体は餌探しに手間取ったり,常にせわしなく泳ぎ回るなど他金魚と挙動に差が出てくる場合があります.

出目

出目系(出目金/蝶尾/竜眼/柳出目…etc),水泡眼,頂点眼など,目やその他デリケートな部分が出っ張っているような金魚の場合,金魚同士の小競り合いや硬い,もしくは鋭いレイアウトでそうした部分を怪我してしまい,治療を要する場合のほか,適切な治療がなされずそうした部位を失う場合が出てきます.

パールスケール

パールスケールは鱗がはがれるとまばらな見た目になる,たいてい特別に丸い体型をしているため小突かれると玉遊びのように一方的にやられるなど,トラブルに特別弱い品種となっています.

対策

初めから似た者同士でそろえて混合を予防するのが最も簡単です.

出目金とその他丸物金魚,柳出目とその他長物金魚のように,ほぼ問題なく混泳が可能とされる取り合わせもありますが,レイアウトに関しては出目に合わせてとがったものを入れないのがいいです(そもそも底砂に顔を突っ込んで餌を探す習性や柔らかなひれとの兼ね合いから,岩や流木など硬い・鋭いレイアウトは金魚と相性が良くないといえます).

こうした体型が別のもののほか,サイズが大きく違う金魚を混泳させる場合,プラ舟でもいいので,隔離できる容器を確保しておいてから挑戦するのがよいかと思われます.

よくよく観察して楽しみつつ,金魚に都合が悪そうならすぐに解消してやる対応力があって初めて挑戦できることといえます.

性成熟したオス

オスメスの別居など環境を調整できる立場である以上,こうして生まれてきた魚まで面倒を見てやるべきである.
見られないというのなら,混泳を回避するのは義務だ.

求愛行動や交尾が可能になり,メス個体を執拗に追いかけて疲弊させたり繁殖して飼育設備のキャパシティを超えてしまう場合があります.

見分け方

以下の要素を複数見分けながら隔離をしていくといった方針になります.

追星と思った白点が日を追うにつれ広がっていく(白点病だった),ただの小競り合いだったという場合も想定できますが,様子見のため個別で観察していくという方針が繁殖やその他トラブルを防止するのによさそうです.

追星

性成熟したオスの金魚の鰓ぶた,胸鰭前方に白い粒状の出っ張りが確認される場合があり,これを「追星」と呼びます.

柄によっては日ごろの観察があって初めてわかるほど微細な特徴ですが,見た目でわかる数少ない特徴のため,以下要素と合わせて確認できる場合,性成熟したオスの可能性が高いです.

ちなみに,腹部の張り出し方がオスメスによって違う,総排泄孔の形で見分けがつくといった話もありますが,相対的な違いで分かりにくいうえに,「同居の金魚と比べて腹が角ばっていてよく出ているからメスだと思ってみていたら,単にガタイが良いオスだった…」「総排泄孔の形が微妙に違うので繁殖のために同じ水槽に入れたら,同じ性別のようで一向に繁殖しない…」といったこともあるため,追星で確認するのが確実です.

挙動

ほかの個体を執拗に追いかけまわしている際,目的がメスへのアプローチである可能性があります.

そうでなくても,追われる側の体力が尽きてしまう可能性があるため,数日続けて起こる場合一時隔離するのが良いです.

そのほか他の金魚を合流させる,水草を全体的に広げるなどして気を散らせると追いかけまわしに効果がみられましたが,上述の病気拡大など十分に気を付けたうえで「効果があれば儲けもの,何かあったら即解消」程度に考えるべきです.

飼育歴

冬に水温を上げることなく冬眠させると,性成熟が完成している可能性が高いです.

そのうえで上記行動・特徴がみられる場合はオスとして繁殖の準備が整っている上に,同居の金魚まで卵を産む準備が整っていて,そのまま繁殖して飼育数が爆増してしまうことが考えられます.

なお,冬眠の過程を挟まずとも繁殖を行う可能性があることは注意すべきです.

対策

以上に挙げた特徴を発見したら,追星と病気の初期症状を見間違えている可能性もありますから,元の水槽の水と一緒に横見できる水槽に一旦隔離して,それぞれで面倒を見るのが良いです.

白点が拡大しないなど健康なオスとみて問題ないようでしたら,オス専用の水槽に引っ越しとなります.

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